イカにはアニサキスがいるから、気をつけた方が良い。
そんな漠然とした情報を持っていたため、
いつもアオリイカを釣った時は 目視でライトで照らしながら、アニサキスがいないかチェック。
さらにできるだけ細く切ることで、アニサキスを死滅させるやり方をしていた。
仲間からは細く切ってもアニサキス意味ないとか?
アオリイカにはアニサキスがいないとか。
うーん。何が正しいのか
改めて正しい知識を理解したい思いまとめるのと、アンケートをとって、 アオリイカにアニサキスがどのくらいの頻度で寄生しているか地域別で調査したいと思う。
アニサキスとは?
まずは基本知識。アニサキスは海洋生物に寄生する線虫の一種。体長2〜3cm、幅は0.5〜1mm程度の白い糸のような寄生虫。
主にクジラやイルカなどの海生哺乳類が最終宿主となり、その排泄物から卵が海中へ。この卵はオキアミなどの甲殻類に取り込まれ、そこから魚やイカが食べることで寄生。さらに寄生された魚やイカを人間が生で食べることで、アニサキス症という食中毒を引き起こすことも。

アオリイカにアニサキスはいるのか?
結論から言うと、アオリイカにアニサキスが寄生する可能性はあるが、その確率はスルメイカやホタルイカなどの他のイカと比較すると低いという状況。
考えられる理由:
- アオリイカは沿岸に生息するイカで、回遊範囲が限定的
- アニサキスに感染している魚(餌)を捕食する頻度が低い
- 生態環境の違い
ただし、科学的にアオリイカにアニサキスが絶対に寄生しないという証明はなし。寄生の可能性が0ではないため注意が必要。
また、体長20cm以上の大きなアオリイカでは寄生虫のリスクが高まる傾向があるという意見も。
私自身、2年間で30杯近くのアオリイカを処理してきたが、アニサキスを見つけたことはなし。これは多くの釣り人の実感とも一致。
細く切ることでアニサキスを死滅させられるか?
これは残念ながら誤り。細く切るだけではアニサキスは死滅せず。イカそうめんのように細く切る調理法は、アニサキスを見つけやすくするための工夫であり、死滅させる効果はなし。
アニサキスの体は非常に丈夫で、単に細く切っただけでは死滅しない。また、アニサキスは噛んでも噛み切れないほど強靭で、一般的な咀嚼では死滅させられない。
アニサキスを確実に死滅させる方法:
- 加熱処理: 中心温度が60℃で1分以上、または70℃以上で数秒間加熱
- 冷凍処理: -20℃で24時間以上冷凍
また、一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けてもアニサキス幼虫は死滅しないという事実も認識しておくべき。
アオリイカのアニサキス対策
アオリイカを安全に楽しむための効果的な対策:
- 速やかな内臓除去: アニサキスは主に内臓に寄生していることが多く、魚介類が死亡すると内臓から筋肉部分に移動するため、速やかな内臓除去が重要。
- 冷凍または加熱処理: 確実にアニサキスを死滅させるためには、冷凍(-20℃で24時間以上)または加熱処理(中心温度60℃で1分以上)が効果的。
- 目視確認: ライトなどを使って身を透かして見ることで、アニサキスの存在を確認可能。専用の「アニサキスライト」などを使うとより効果的。
- 鮮度管理: 神経締めなどで鮮度を保ち、アニサキスが内臓から筋肉に移動する時間を減らすことも有効。
地域別調査へのご協力のお願い
アオリイカにおけるアニサキスの寄生状況について、より正確な情報収集のため、釣り人の皆さんにアンケート調査を実施。地域によってアニサキスの寄生率に違いがあるのかどうか、実際の経験の共有を希望。
アンケートは当ブログのコメント欄または以下のリンクから回答可能。結果は後日、当ブログで公開予定。
アンケートはGoogle formを活用しているため、メールアドレスなどの個人情報などは一切取得しておりません。



最後に
アオリイカにアニサキスが寄生している確率は低いかもしれないが、可能性はゼロではないという現実。私自身、今までアニサキスを見つけたことはないが、だからといって油断は禁物。
アニサキス症になると、激しい腹痛や嘔吐、下痢などの症状が現れ、最悪の場合は病院での内視鏡検査が必要になることも。生の魚介類を食べた後に激しい腹痛が起きた場合は、アニサキス症を疑い、速やかな医療機関受診を。
アンケート結果の有無にかかわらず、安全なアオリイカの楽しみ方のためにも、適切な処理と調理を行い、アニサキスへの十分な注意を推奨。
